どうしてそんなことしたの?

十数年前に乗っていたVespaを急遽手放す事態に陥った場面で投げかけられた言葉です。
都内にはVespaの専門店が幾つかあったのですが、時々利用していた専門店へ訪れると店員さんから自分の乗っていた車体を褒められる機会が多かったです。
中古で入手した当初から錆が目立っていたホイールは自家塗装でクラシカルな水色系にしていました。灰色がかった目立たぬ水色です。
店員さんからはそれも褒められたりしていて、ちょっと嬉しかったり。
古い部屋のDIY用に入手したスプレー缶、ホームセンターで安く売られていたのをまとめ買いしていて、それが結果的にホイールの塗装に転用された次第でした。

都内の路駐が突然厳しくなり、自宅前で突然切符を切られてから対策を考えたのですが、手放す以外に方法は無く。
仕方なく、大手の買い取りチェーン店で査定してもらったところ、恐ろしく安い金額。高価買取りを看板にしている店なのですが、クラシックな車体の価値を理解していないのか。
ヤフオク等に載せたら、その十倍でも売れたとは思います。しかし、時間が無く。
次に向かったのか上記の専門店。

大手チェーンよりはマシな金額を提示してくれました。しかし、開口一番「(そのホイール)どうしてそんなことしたの?」と。
錆びているよりはマシと言いかけたものの、先日の別の店員とは全く逆の表現に開いた口が塞がらず。
まぁ、買い叩きの手段だとは思いますが、そこを突っ込むか?と。だいたい、店が売るときは何倍にも値段を吊り上げるのでしょうし、予備を入れた三本のホイールの単価は六千円程度なのですし、交換も簡単で。
ちゃんとした工場も構えている店舗なので、錆びや塗装を簡単に落とせるブラスターとかも備えているのでしょうし。
Vespaにまた乗る機会があったとしても、この店はやめておこうと思いました。
何というか、最期に嫌な思いをしたというか。
自分だったら「機会があったら、また寄ってください」と言うでしょう。
こういった趣味性の高い道具や乗り物って、何年かしたらまた触れたくなるもので。

後日、その販売店で自分の乗っていたVespaの値段を確認したところ、けっこうな値段でした。それでもあっという間に売れてしまった様子。
今思えば、あのまま少し遠くの場所で保管しておくべきだったかなぁと。
ただ、全く乗らない状態で何年も保管していると、それだけで劣化は加速してしまうんですよね。

古い大衆車の現存率

昨日観掛けたニュース記事で思い返したりでした。
30年前とか40年前の四輪をたまに見掛けるのですけれど、当時から高級車だったのばかりだなぁと。
一世を風靡した大衆車は、当時あれだけ溢れていたのにほとんど残っておらず。例えば80年代初頭のファミリアやシビックです。
当時としては性能も良かったそうで、デザインも優れていて安価だったので、カローラよりも一時的に売れたくらいで。
カローラが指標だった時代はとても長く。

現代の車に比べて使っていた金属の質も劣っていたらしく、錆でボロボロになって廃車になったり、高性能だった故に中古車が若者に酷使されて廃車になったりだそうで。
現在の中古車市場にも極僅かに出回っているそうですが、これがけっこう立派な値段。
それなりのレストアがされていたら当然の値段だとは思いますが、よほど好きじゃないと貰い手は居ないだろうなぁと。
80年代を再現した映画やドラマの道具を入手する事情でもなければ、余程の思い入れが必要そうです。

数日前のこと、自宅近くのコンビニ駐車場で古いVespaを見掛けました。
エンジンがなかなか掛からず、何度もキックしていて。
自分も嘗て兄弟車種を所有していたので、気になって話し掛けてみることに。

既に十五年乗り続けているとのオーナーさんでした。
でしたら、癖は十分に判っているだろうし、余計なアドバイスはしないことに。
ともかく小さな故障が多かったそうで、それは自分も同じでした。レストア代や修理代で既に百万円以上の維持費が掛かっていたそうです。
自分の場合は自分で直していたので、そこまでお金は掛からなかったものの、十五年も所有していたらそれくらい掛かっていたのかなぁ?とも。
見た目はテールランプが標準で無かったり、マフラーというかチャンバーがスポーツタイプに変更されていたりの車体でした。
しかし、ナンバーも車体も50ccのまま。

50ccの車体は30km/hの規制とか二段階右折とか面倒でしかない存在です。
あいにく原付の免許しか所有されていないらしく。小型自動二輪の免許を取得したら、かなり楽になるのにといった会話になりました。
車体はそのままでも、奥の手はあるのになぁと。
チャンバーは既に交換済みですし、メインジェットの交換も既にされているかと。それだけで、全くパワーが異なる嘗ての2サイクル。
一般道の四輪の流れに迷惑掛けない走りは既にあったと思います。

当時の古いVespaは、動く芸術品くらいの何かを持っていて。
路上駐車の規制が突然厳しくならなければ、都心暮らしだった自分も手放さなかっただろうなぁと。
当時の自分は古いマンションな自宅前にVespaを停めていました。それで突然のルール変更で切符を切られ。
まぁ、無くても生きて行けるサラリーマンで、半分は趣味の乗り物でした。山手線の内側を移動する分には縦横無尽な小道具でもあって。
自分よりも気の毒だったのは、歴史ある老舗のスーパーカブとかも切符を切られてしまった点でした。自分と違って、商売道具の一つだったのに。
路地裏系の下町だったので、ほとんど迷惑掛けていなかったハズでした。一種の懐かしい風景だったのかもなぁと。
そんな方々まで一律のルールで単車を手放してしまうことに。ちょっとした死活問題であったと思います。
自分もこれでは維持できぬで手放してしまい。

現在自分が所有している単車は250ccのスクーター。国内ブランドの新車なので、最低限のメンテナンスさえしていればこの通り故障も無く。故障したのは自分の整備の失敗程度でした。
この優秀さと安心感は捨てがたいモノがあるのですが、あの手間の掛かり続けた古いVespaが未だ恋しくもあり。
それでも乗り続けているオーナーさんに、敬意です。

アルファロメオ

ヨーロッパの車のエンブレムは何かの紋章系なのが幾つかある様です。
パッと見でどのメーカーなのかは分かるのですが、紋章の中の細かいオブジェクトまでゆっくり観る機会はナカナカ無く。
特にアルファロメオはゴチャゴチャしている系かと思います。

以前に新車を購入する際に安いモデルのアルファも候補にあがったことがありました。その際は故障が怖くて諦めたのですが、そのタイミングで知ったアルファの紋章の由来がちと驚きでした。
よく観たら、大蛇が人を呑み込んでいて。ちと怖いですよネ。
アルファロメオのお膝元の土地では大昔にサラセン人との戦いがあったそうで、それにちなんだ紋章だそうです。サラセン人とはイスラム教徒を意味しているそうなのですが、現代では問題にならないのかなぁとちと心配だったりです。

四輪ではありませんが、自分がVespaに乗っていたのはイタリア車への憧れもありました。デザインの美しさや乗り味です。
デザインの美しさについては観れば分かりますが、乗り味については人伝に色々な人から聴いていて。
安いパンダでも十分に面白いとか、ぶっ壊れそうな回転数まで回せられるとか、それで実際にぶっ壊れたとか。

新卒で入社した会社で知り合った同期の一人にボンボンがいて、大学時代はインテグラーレに乗っていたとのことでした。親が何社もの会社を経営していて母親から買ってもらえたそうです。本田のインテグラではなく、ランチャのインテグラーレです。
そのインテグラーレ、新車で購入してから数ヶ月後に首都高を走行していたところ、エンジンルーム辺りからボンッ!と音がして停止してしまったそうです。オイルパン付近に穴が開いたとか言っていました。

その後に会社の寮で知り合った先輩が同じ勤務先になり、過去にアルファロメオに乗っていた話が可笑しかったです。FRの運転が楽しかったとか、とにかく高速走行が楽しかったとか。
この方の場合はそれなりの収入があったそうですが、車の維持費等に無理があったそうで自己破産したそうです。本人による事故もあったそうですけれど、勝手に壊れた系の話は聴けず。
車両価格は無理なかったと思われますが、そこまでの魅力があった様子でした。

その後に気になったアルファは、ドイツからオランダへ帰るアウトバーン上でした。
自分達の乗っていたシトロエンの商用車がオープンの黒いアルファに勢いよく抜かれたのですが、次のサービスエリアで黒いアルファにまた遭遇してしまい。
乗っていたのはとても綺麗な二人組の女性で、黒いドレスもお揃いで。日本では観ることの無いようなキマり具合でした。

中古の輸入車屋さんでは少し古いアルファがかなり安く販売されているんですよネ。まぁ、日本車でしたら同じ年式ですと更に安いのでしょうけれど。
展示されている車体はどれもとても美しく。
ただ、故障頻度とか修理費とかが、やはり日本車に比べると高額そうです。

以前に古いVespaに乗っていたもう一つの理由は、壊れても自分で直せるくらい単純な作りというのもありました。
アジア製の互換部品はかなりの安さでしたし。以前にインドとかでノックダウン生産をしていたらしく、格安部品の入手は難しくなかったです。
たまにまた古いVespaに乗りたくなるのですが、自分が入手した十年以上前でもソコソコの値段。現在では更に高価になっているらしく。
そんなワケで、宝くじでも当たったらイタリアの四輪と二輪は高確率で入手してしまいそうです。

おっ、ラビットじゃん

昨日の大人の遠足で気になる構図がありました。
おっ、ラビットじゃん。
古い国産スクーターのエンブレムに使われていたデザインです。

太田姫神社の太鼓の上に飾ってあったキツネなのですが、これは「ラビット」なのでした。
太田姫神社は、学生時代の職場の近くにあって、当時は由緒も知らずに煙草のイップクポイントでした。
二十年前、自分はあの緩く長い坂道を毎日歩いていたんです。

そのラビット、数年前にお向かいの建具公房さんでもモチーフにされたデザインで、あのときも
「おっ、ラビットじゃん」と、つぶやいていました。
Vespaの次に乗ってみたいスクーターでもありました。

因みに、ラビットのエンブレムは→ マンクスキャットさん
ラビットそのものは→ Wiki:ラビット
ついでに、うさぎ屋ときたら、ムー一族のテーマ→ Yourtube:クリエーション

夏は、もうちっと続きそうです。
ガァ

秋の病

Vespa GTV250ie

Vespa GTV250ie

過ごし易い季節なのか、またしても単車に乗りたい熱が。
数日前の深夜、自宅前を古いVespaらしき音が駆け抜けた辺りから始まりました。
この音、「SUKIYAKIがまたVespaに乗り始めたのか」とお向かいさんも錯覚させたそうで。

某所で並行輸入の新車が破格で売られているのを知り、熱は既に重症気味です。
GTV250ieという魅惑の乗り物、とても気になっております。
古い2サイクルのVespaと違って、オイルやガソリンもそうそう漏れなさそうですし。

購入費用は全く問題ないのです。
問題は唯一、千代田区の駐車事情なのです。
ガァ

再会等


[ まんてんさんのカツカレー大盛 ]
お昼頃、学生時代からの友人、T夫婦のT夫と二年ぶりの再会。
損得勘定抜きの古い付き合い、やはり大切です。
春夏秋冬、喜怒哀楽、色々とあったものです。
ガァ
その後、借りている部屋の契約更新。
風呂釜の不調が夏頃から続いていたので、ついでに修理依頼。
更にその後、ガス会社さんの点検が入る。
自宅玄関にVespaのパーツやオイル缶、ヘルメットが散らかっていた為、訪れた係の方と単車談義。何でも、ハーレーも手間が掛かるとのこと。
風呂釜の不調は再現せず、年明けにメーカーの点検となる。
既に夕刻。今年最後のラーメン二郎神田神保町店さんには間に合わず。
営業時刻は終わっているものの、ダメ元で挨拶がてら伺ってみると、店主さんは一仕事終えた様子でカウンター席に。
商売繁盛、縁起物のカレンダーを手渡し。
そのまま、まんてんさんのカツカレーを頂きに。
量多過ぎますが、美味いうまい。
ガァ

しょうがないか


[ 自宅前のポンコツ ]
自宅前に停めていたポンコツVespa、遂にイエロー切符を切られました。
秋葉原の繁華街からちと離れた居住区域の通りだったので、大丈夫かと思っておりましたが、どうやら考えが甘かったようです。
以前に停めさせてもらっていた明神さんの裏階段辺りのスペースへ移動しにゆくと、十台前後停まっていた単車達は奇麗に居なくなっていました。
見慣れない看板が背中に立っていました、表側から覗いてみると、違法駐車への注意書き。
そのスペースの一番奥には何年も前から放置され、半ば朽ちた一台の単車が眠ったまま。
ガァ
主観でしかありませんが、その美しい造詣と、ちゃんと毎日乗ってあげれば決して壊れなかった生活道具。
手間も掛かりましたが、移動手段としても、都心部ではピカイチの道具でした。
ただ、客観的に観たら、周りから観たら、迷惑な存在だけだったかもしれません。
護ってあげられなかった、駐車スペースも確保できなかったオーナーで、申し訳なかったです。
いい思い出ばかり残してくれて、ありがとうネ。
^^