絵本

幼少期、まだ幼稚園に入る前だったと思うのですが、寝る前に母に読んでもらった絵本が大好きでした。
ちょっと怖い内容で、大好きだったというより不思議というかエキゾチックというか。
それはシンドバッドの絵本でした。冒険者のストーリーです。
細かいストーリーは勿論忘れているものの、大きな挿絵にインパクトがあり、捕らえられたシンドバッドと死を連想させる場面もあったような。
現代の絵本というのは主人公がハンサムだったり可愛かったりな傾向かと思います。しかし、古いこの絵本の主人公はその真逆で。
海と汗とカレーの香りが漂う作風が記憶に残っています。

過去の出張でヨーロッパ行の国際線に乗った際、シートに備え付けの液晶画面には現在飛行中の地図が表示され。
世界の主要都市が英語表記されていた簡略地図でした。あの都市はこんなスペルだったんだなぁと改めて。考えてみたら英語表記の世界地図などこれまでに見たことが無かったかも知れません。
その中に気になるスペルが。中東地域に「Baghdad」と。所謂バグダッドです。

バグダッドという言葉は幼少期から覚えていたなぁと。
そうそう、あの絵本だと。
シンドバッドの航海で出発地点だったかな。何度も航海してやっと戻ってこれたバグダッドでもあり。
あの作品が元で旅に出ようとは思えない内容でいた。異国への旅の危険さとか怖さとか、そんなイメージしか残っておらず。
なのに、いまの自分はこれが何回目かの海外渡航です。異国文化に触れるのが楽しみになってしまい。
幼少期の自分はさぞや臆病だったんだろうなぁと。実際、あの絵本を読んだ夜は一人で寝れなかったような。トイレにも行けなかったような。

あの作品をもう一度読んでみたくなり、日本へ帰国後にWeb検索かけてみたものの、全く見つからず。
現代のシンドバッドは皆美しい身なりで、これは違うなと思えるのばかりで。
あれから十年以上経ち、昨夜何となく検索したところ、あっさり見つかりました。これです。

何処かの図書館にあるかな?
当時の記憶を全ページで確かめてみたく。今読んだらどんな気持ちになれるのだろうか。
ともかく『世界文化社「シンドバッドの冒険」』をメモ。

海外渡航の半分以上はプライベートの旅行でした。残りは出張でどちらもヨーロッパかヨーロッパ経由でアフリカへ。
そのヨーロッパもアフリカも無事に帰ってこれるか分からない内容でした。
実際に、三ヶ月間暮らしたオランダでは現地で重宝がられ、そのまま滞在させられそうになったり。三ヶ月のビザなしだったので、帰国が許されたのですが。
もう一つのアフリカ出張はフランス経由でしかルートが無く、その仕事も現地の作業が上手く行くまで帰国できないという話を現地で聴かされて。所謂人質のようなものです。
これが実際に様々なトラブルに見舞われて、けっこう危ういところでした。
まぁ、今となっては良い思い出です。

文化交流とか

この国も終戦を迎えるまで、一部海外の文化に対して制限を設けていたようです。
その後、特に文化面での鎖国的な状況は(恐らく)無かったと思います。

あっ、でもエロ文化については、二十世紀の終わり頃まで制限を肌で感じていました。
海外のお土産の定番は、ボカシ無し。買ってくる方も、入管で怒られるリスクを背負いながらの勇気ある行動だったと思います。
ほとんど検閲の無いこの国のインターネット環境は、そんな風習も過去のモノにしてしまったようで。

この国の伝統や文化の起源をWikiで探すと、だいたいは大昔に海外から流れてきていて、それを消化して、アレンジしたりして今に繋がっている様子です。
良いモノを導入する姿勢は間違った選択では無いですし、全てこの国が生んだ何て思っていない姿勢も素敵だと思います。

特許や著作権が厳しい時代、敗戦以後の貧しさ故に大国や先進国からこの国も大目に見てきてもらった部分があったようですし、それは輸入税や為替レートにもあったのかと思います。
主題の文化交流からソレました。まぁ、経済事情と切り離せない部分でもあるとは思います。
まぁ、ここまでは前置き。綴りたかったのは以下です。

ここ数年の隣国の日本叩きについてです。
Wikiによると、韓国での日本大衆文化の流入制限は段階的にまだ続いている様子です。
日本の大昔の漫画やアニメは隣国で長い間特殊な扱いを受けていたそうです。「鉄腕アトム」も「ガッチャマン」も「ドラえもん」も庶民の間で「日本製」とは思われていなかったそうです。どうやら妙なカタチで流入していた様子です。
インターネット環境が普及し始めた当初は、逆に「日本がコピーした」と叩かれる意見もあったらしく。

ガンダム以降のアニメを自分はほとんど観ていませんが、隣国での「ガンダム」はロボットの代名詞とされる判決もあったらしく、「文化の流入制限」そのものに無理があったのかと思っています。
仕事やプライベートで訪れた海外、ホテルのテレビでは日本製のアニメやCMが頻繁に流れていました。合衆国でもヨーロッパでもタイランドでも。みんな日本製だと知っていました。
海外での方が、日本製の大衆文化を楽しんでいた自分です。

昨日のニュース記事で、まだ現役連載中の漫画だかアニメだかの展示が隣国て中止になったというのを読みました。
その原因は「旭日旗」が作品に含まれていたとのことらしく。
隣国の大統領、日本製の靴を履いて始球式に登場するのも叩かれるそうで、日本はさながら敵国扱い。
粗を探したら、今後幾らでも日本製は登場すると思います。
このままでは、日本を連想させる意匠は全て攻撃対象になりそうで。
自国内だけで騒ぐならまだしも、世界へ告げ口では結果自爆かと。

文化面に限らず、中途半端な制限は過去を含めて無理や矛盾を生むだけかと思います。
半世紀後もこんなでは無い事を期待しています。